2013年10月21日から26日まで米国カリフォルニア州におきまして、米国不動産実務研修を開催いたしました。
今回ご参加いただきましたI様より、レポートを送信いただきましたので掲載させていただきます。

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アメリア(カリフォルニア州)と日本(名古屋)の不動産業の違いについて

はじめに日本はアメリカの不動産の歴史を徐々に日本向けに模倣しているという点が歴史上挙げられます。またカルフォルニア州はアメリカでも新たな不動産の仕組みや法律が導入されている、日本の国土交通省の視察対象になっている地域です。

よって、今後のアメリカ全土の不動産の常識基盤はカルフォルニア州にあり、日本の未来の不動産はアメリカにあるという事です。

大きな相違点として共通している事、それは「借主保護の観点」に非常に特化しているところです。

①まず仕事を始める前のライセンスです。
アメリカでは従事する者の全員が持っていないといけないとされている資格があり、日本でもいずれそうなっていくであろう資格は宅建資格です。
日本でもすぐには制度化されなくとも、借主保護の姿勢、企業資質として宅建資格者率は高くなければいけません。

②次に部屋を探す際の広告です。
広告は1つのサイトで全ての物件が検索できる超巨大ポータルサイトが存在します。インターネット広告で実物以外の全ての情報が手に入ります。例えば「過去の取引事例」「高校の進学率」「地域の犯罪件数」「人種の割合」など全ての情報が借主の手に渡ります。
また同じ物件を他社と自社でNET上競合する事はありません。全てが自社物件か専任物件だからです。
賃貸市場ではオーナーも好きなだけ自分で広告して自分で仲介しています。
日本ではオープン物件を自社と他社でネームブランドや有料広告に頼り、そして強引な申込を誘引してしまう。そんな事にも納得がいきます。アメリカでは大手サイトは全て無料なのです。

検索の簡素化や情報の速度や質は日本とは大違いでした。
1番は自社物件・専任物件を持っている事
2番に営業マンの信頼性・人間性・ネットワーク
3番に報酬の額の順に重要度があるのではと感じました。

日本では2番・3番、の比重が比較的多く配分、残されているという点があります。
専任物件の増加に努めるとともに、複数の自社保有物件がある不動産会社という選択肢も今後に必要なスキルにとなってくるのではとも考えさせられました。

③最後に契約に携わる書類・第三者機関です。
不動産の売買取引の際の交渉・商談内容の記録及び連絡、手付金・決済、そして契約書の交付などの第三者機関が存在し、ほぼ全ての取引に使われる機関です。他にも物件調査から瑕疵担保責任の保険運用を行う機関など様々な調査機関があります。また借主の直接的保護ではないのですが、入居審査の際にクレジットスコアー(点数)を取得する事が可能なのです。無論本人同意を得た上で行いますが、その点数及び支払い状況全て記録・開示されてくるのです。
こういった機関が取引の透明性を高めてくれます。日本でいう仲介業者の仕事が第三者機関に任せられているという仕組みがあります。
取引の納得を追及するという事で、取引後の安心・安全・快適を効率良く提供する仕組みだと感心させられました。
逆にこういった機関に支払われる諸費用が多々ある事により、報酬形態が日本とは違うというところにも繋がります。

「借主保護の観点」では、新たな仕組み・法律・第三者機関により、私たちの仕事はあらゆる場面で変化し続けていく事になると思います。
変化に対応する事や日本での今後の不動産ビジネスの有り方を先読みする為のヒントになると感じます。

最後になりますが、研修で教わった事の中に、最後は「人と人」です。という言葉がありました。人と人の中で生まれる信頼や感動。これを追い求めていく信念を曲げてはいけないと改めて感じさせて頂きました。また、こういった研修で先見の目を養う事ができ、とても有意義でした。